たそ図書館

読書は好きですか

あなたはAIに勝てるのか

今回紹介する本は
新井紀子
AIvs教科書が読めない子どもたち

今回の本から
得れたこと

・AIに夢見ていることは
現段階ではできない
・これからAIが浸透する中で、
現代人はまだAIができない読解力を鍛える
・ホワイトカラーな仕事は
AIに代替えされて、
生き残る仕事が限られている

【目次】

                   AIの歴史
                   AIが仕事を奪う

                  日米の認識の差

                  今求められる人材
                  最悪なシナリオが起こる
                  AI世界恐慌を生き抜くには

AIはライバル

まず、AIの議論として
行き違いが生じています。

ターミネータやドラえもんといった
多くの人が夢見ているAIロボットはまだ、
存在することはないということです。

AIとは、
Artificial Intelligence の略で、
人工知能と訳されるもので、
知能を持ったコンピューターと
いった形で使われます。

しかし、
2つのロボットのように自動に、
人間と同等かそれ以上の知能を持った
ロボットを想像しますが、
AIができることは
四則演算のみ

です。

四則演算とは、
つまり 足し算・減算・乗算・除算
といった数学で使う計算のことです。
そんなAIは
2つの方法論で
実現しようと考えています。

    • 人間の知能の原理を 数学的に解明し、工学的に再現する

 

  • 原理はわからないけど
    気付いたらできた

です。

知能の解明は、
現在科学的に推測する方法がないので、
解明するスタートラインに立ていません。

また今ある技術の多くは、
非論理的にできたものを
究明していった結果
設計可能になっています。

ですが、
今のAIは
統計という方法論に
基づいて

います。

しかし、統計論には限界があるので、
現在の延長では、
人工知能は実演することはできません。

結果AIは
今すぐには存在することはないのです。

なので、
現在のAIを作る人たちの目標は、
人間の知的活動を四則演算で表現して、
人間が感じる程度に近づけることです。

また、AIとAI技術を
混合して使っている人も多くいます。

AI技術とは、
AIを実現するために
開発されている
様々な技術のことで、
分解すると

などです。

しかし、
この技術を総称して、AI
と呼んでしまいます。

ですが、
技術の開発の先にあるゴールが
AIなのに厳密に
区別する意味がないので、
混合して使ってしまいます。

しかし混合すると弊害も出てきます。

これは、AI技術は
日常生活のパートナーになっているため、
存在しないAIが
存在していると思い違いが
起きてしまいます。

しかもその思い違いによって、
人間の仕事がAIに
代替えされるという誤解を生み、
誤解を前提に議論してしまうことです。

こんな誤解が起きると言われるのが
シンギュラリティです。

シンギュラリティとは、
非凡、奇妙、特異点
という意味です。

これを持ちいて、
AIが人間の能力を超える地点として
使われることがありますが、
この場合に使うのは、
技術的特異点
(technological singularity)


つまりAIが
自律的に自分より能力の高い
AIを作り出す地点になると考えられます。

この言葉が
使われるけるようになったのは、
チェス、囲碁、将棋のプロ棋士
AIに負けたことによって、
AIへの過剰な期待が
膨らみ不安を増幅させたからです。

しかしAIが
人間の能力・知力を超えることとは
別次元の問題です。

AIの歴史

初めて、
AIという言葉が出たのは、
1956年ダートマスで登場しました。

この時に作られた
世界初の人工知能プログラムで
自動的に
数学の定理を
証明するプログラム

でした。

これを機に
第1次AIブームが始まります。

当時のメインとなる研究は
推論と探索により問題を解く研究でした。

これは、
簡単な迷路やパズルを解かせるもので、
限定できない問題には無力でした。

しかし、
今後のAIの原型となる
プランニングが生まれ、
1964年に
単純なやりとりをするだけの
システムも始まりました。

その後AIという言葉が風化していき、
1980年代に第2次AIブームに
突入していきます。

この時の研究は、
万能型ではなく
特化したAIを作ろうとしました。

ですが、

  • 常識や感情についての
    知識を感情的に学習させる
  • 曖昧な表現や数値化できない表現
  • 学習させるのに
    膨大な時間と労力が必要

といった壁にぶつかります。

そして、2000年代に入り、
インターネットの普及によって
ウェブ上に大量のデータが増殖した結果、
第3次AIブームとして浸透していきます。

そして、今のトレンドは、機械学習です。

これは、
統計的な方法論を使い
明確に課題を設定する必要があります。

その統計として使う
ビッグデータをデジタルで手に入れていき、
それを繰り返し学習していきます。

活用されている分野は

です。

ディープラーニングとは、
深層学習と略されます。
これが生まれたため、

直感頼みだった設計を
最適化することができ、
短期間で物体検出の
飛躍的な精度向上を実現してきました。

しかしこれを
大量のデータを与えれば、
AI自身が自律的に学習して、
真の答えを出す仕組みだと
誤解されいる人もいると思います。

しかし実際は、
手作りで試行錯誤していた部分を
低コストで同等か上回る正解率に
達しやすいだけです。


強化学習は、
目的や目標と
制約条件が記述できる

課題に適しています。

しかし、上手くいかないものもあり
それは、
災害現場での人命救助だったり、
幸福の数値化など
複雑で人為的なものには
適していないということです。

AIが仕事を奪う

そして、
発明や新しい技術が
生まれると
いままでの仕事がなくっていく
という歴史を繰り返してきました。

オックスフォード大学の雇用の未来
(参考サイトはこちら)
という論文の中でも、
仕事がマニュアル化しやすい
ホワイトカラーの事務系の職業は
なくなると言われています。

他の仕事も安心できません。
決められたルールに従って
作業するものも代替されやすいので、
アメリカにある702種の
半数の職種で職を失う危険性があります。

労働を守ために
AIの導入を先延ばしにすると
国際競争力が失い、
結果会社がなくなることにもなります。

しかも生産性が向上する業務に
雇用を維持すると
労働環境がブラック化していき、
職につけていても
安全とは言えなくなります。

その結果、
労働者の分断が行われて、
代替可能なタイプの人の労働価値が
急激に下がっていきます。

シンギュラリティは
SF

AIにできることは、
計算すること
です。

ですが、
質問の意味を理解して
答えを出していると
思っているかもしれません。

しかしながら
意味を理解しているのではなく、
入力に応じて計算して
出力しているだけなのです。

そのため理解できる仕組みは
入っていないので、
意味を理解しているふりをしています。

しかも使っているのは、
足し算と掛け算だけで、
認識している事象を翻訳しています。

なお科学が表現できるのは
論理・確率・統計
が全てで、
変換できないことは
計算するこはできません。

そのためAIが
人間と同等な知能を得るためには、
脳が認識していることを
全て計算可能な数式に
置き換えることはできないので、
認識を還元することはできません。

日米の認識の差

日本が
技術後進国になってしまったのには
2つの大きな隔たりがありました。

それは、

  • AIに対する期待
  • AIへの投資する現実感

です。

  日本 アメリ
期待 AIの世界が実現する期待 AIの実力を冷静に判断している
現実感 期待している割にリアリティにかけて投資をしている 明確に投資先が決まっている

この差が生まれた理由として、
1982年に通産省
立ち上げた国家プロジェクトにあります。

500億円以上の予算が
投下されたにも関わらず、
手酷い失敗に終わったため
その後20年以上
AIプロジェクトは凍結してしまいました。

しかも失敗への手がかりがなく
成長を止めてしまいました。

しかもアメリカは
日本の失敗に学んび、
日本よりもニーズが企業にありました。

現代人は
教科書が読めない

AIに模試を受けさせると
有名私大への合格判定が出ています。

そんなAIには弱点があります。

  • 万個教えて1を学ぶ
  • 応用が利かない
  • 柔軟性がない
  • 決められたフレームの中でしか
    計算処理ができないこと

そんなAIが
手に負えない仕事が
今後残っていく仕事になります。

しかしその残る仕事の共通点は

  • コミュニケーション能力
  • 理解力を求められる仕事
  • 柔軟な判断力が
    求められる肉体労働

それでは、
うまくやっていける
読解力や
常識、柔軟性や
発想力

を十分に備えていることが
重要になっています。

しかし、
中高生の読解力は
危機的な状態になっています。

そんな読解力は
高校卒業までに
獲得されるものであり、
中高生だけでなく
全世代にも危機的にあります。

そんな読解力とは、
小説や評論文を読んで、
作者が訴えたいことや
本当の意味などを
読み取ることではなく、

額面通り
文章の意味・内容を理解することです。

ですが読解力が決めるものは
読書習慣
学習習慣
得意科目
性別などの
因子は発見されていないません。

今求められる人材

Ai時代に求められるのは、
意味を理解する人材になってきます。

そのため世界的に、
数学を理解する
人間の奪い合いが始まっています。

これには、
使うべきポイントや
弱点を論理的に理解
しているか

が問われています。

なので報連相がきちんとできる
当たり前の人材が
企業は必要にしています。

しかしコストをかけても
採用することは
できていないの現実です。

AIには難しい
同義文判定
不可能な推論
イメージ同定
具体例同定な
力を持っていないと
AIにできないことが
できる人材にはなりません。

最悪なシナリオが起こる

もともと大学入試の機能には、

  • 学生のスクリーニング
  • ホワイトカラーとして能力を測る指標

だったので、
企業が重視していることは、
大学・大学院の専門教育ではなく、
大学入試をきちんと
突破したことを重視しています。

なので、
偏差値の高い大学に
入るほどの学力があれば
仕事でも能力を発揮する
可能性が高いと考えられてきました。

しかし、
有名私大程度の
偏差値を持っているAIが
生まれているので、
人間にしかできないタイプの
知的労働に従事する能力を
備えている人は、
全体の20%にみたない可能性があります。

そして、
経済にも破滅的な影響を及ぼします。

ネットを調べれば、
最安値を見つけることができるので、
最安値に合わせた値段になっていきます。

そのため、
実店舗での職業はなくっていきます。
口コミやレビューによって
商品についての
情報や知識が共有されることで、
買って後悔することが減っていきます。

これがAIと人間が
共に生きる時代の真の姿です。

AI世界恐慌を生き抜くには

起こりうる未来予想図は、
企業は、人手不足で
頭を抱えているのに社会には、
失業者が溢れている状態です。

新しい産業が興っても
担い手が不足するので、
経済成長のエンジンにならないからです。

これは、
世界大恐慌
リーマンショック
比較できない
大恐慌になる可能性

があります。

ですが、
これを回避するには
競合者がいない
ブルーオーシャン
探していくことです。

これをするには、
生活の中で
不便に感じていることや
困っていることは何かを探して、
できない理由を探す前に
困ったことを解決できるかを
考えていくことが重要です。

小さい需要が供給を
上回るビジネスを
見つけることができたら
AI時代を生き残ることができる

まとめ

普段使っているAIという言葉は、
技術の総称として表されています。

しかし本来の意味とは違い、
混合して使うから
誤解を産んだまま使用してしまいます。

ですが、
懸念されている
シンギュラリティは
現在の技術の延長では起きることはなく、
あるとしたら
誰かの思いつきや
何かしらの間違えによってのみでしか
起こえないでしょう。

そして今のAIブームでできるのは、
数学であり、
数学で表現できることは
限られてきます。

そこには、
論理で解明できることだけで、
人間が簡単に理解できることには、
論理的思考はないので、
AIが代替えすることはできません。

これから生き抜いていくには、
今困っていることを
数学的言語で言葉にして
商品にしていくことです。
そのために、
AIができない読解力を
追求していくことが
なによりの生きる力